鑑定コラム:無道路地の評価

道路に接面していない土地は無道路地と呼ばれ、こうした土地は単独では建物を建築することができません。鑑定評価では、最も近接する道路に接面する標準的な画地を想定し、これと比較して減価率を査定することが一般的ですが、この減価率を構成する主な要因として以下の要因があります。

①無道路地が建築基準法の接道義務(2mの接道)を満たすために必要となる支出金額

②有効宅地部分が道路に直接に接していないことによる居住の利便性、快適性の減少

③日照や眺望が劣ることによる居住の快適性の減少

④建築制限による用途、規模、構造等の制限(地域によって異なる)

②~④については路地状敷地(旗竿地)と同様の要因となりますが、これは無道路地が接道義務を満たした後の土地の形状が旗竿地となるためです。(旗竿地の評価については下記のリンクを参照ください。)

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無道路地については、課税上の簡易的な評価では通路開設費用(通路部分の面積×路線価)を控除して評価しますが、鑑定評価においては、通路開設費用(実際に隣地所有者から通路部分の面積を買い取ることが可能な価格)に加えて、通路開設の確保可能性も考慮して減価を行うため、課税上の簡易的な評価よりも評価額が低くなる可能性があります。